読み始めたきっかけは、多くの方からのお薦めによるものでした。
「銀英伝は一度くらい読まないと」
「アニメで観たら? 100話以上あるけどw」
等々の声に推され、この度重い腰を上げるに至りました。
読み始める前は、ただ長いという印象につきます。おそらくレンタルビデオ店でずらりと並んでいる銀英伝が脳裏に焼きついているせいでしょう。それぐらい銀英伝に対して無知だったのです。
●読んだ感想
壮大な舞台において綺羅、星のごとく英雄達が躍動する、まさにタイトルの名に恥じない大作でした。正直なところ5~6人は名前とキャラクターが一致しないままでしたが、それでも物語の本筋がぶれることなく認識できました(これは私自身のスペックの問題です、ごめんなさい)。歴史小説の体で作られたのもテーマと合致していてこれまたお見事でした。
好きなキャラは帝国側の主人公ラインハルト・フォン・ローエングラム。完璧な存在にみえてどこか人間味が見え隠れするのがいい。最初はキルヒアイスが好きだったんですが、まさかあんなに早く退場するとは……。その驚愕の展開が銀英伝の世界にどっぷり引き込まれた最大の要因なんですけどね。
印象に残るシーンはやはり二人の主人公の愛の告白かな。実直で正々堂々としていて女の扱いが下手な英雄なんて最高じゃないの。これは日本人の気質に合っているし、結ばれたことを心から喜べました。そして男より女が強いのは創られし英雄譚においても不変なのでした。
とにかく圧倒的なスケールの世界観をこれでもかとつきつけられました。脇役すべてにドラマがあり、キャラクターとして地に足がついている。作者は遅筆として有名らしいけれど、これだけの設定を創り上げるのだから時間がかかるのも当然でしょう。
●まとめ
振り返ればあっという間――でもなかった。伏線もきっちり回収されているし、清々しい気持ちの読後感。
本当に読んでよかった。薦めてくれた皆様にあらためて感謝。次は何を読もうか、ブランデー入りの紅茶でも飲みながら考えるとしよう。
P.S.大河ドラマで銀英伝をやってくれたら面白そうだけれど、日本人が演じると滑稽に見えるかも……。でもちょっと観てみたいから、NHKさん頼みますよ。
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