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『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』感想
 TVシリーズを見終わってからしばらく経ち、完全にタイミングを失っていましたが本日ついに見ました。やっぱりこういうのは続けて見ないとダメですね。今回身を持って体感しました。以下感想を書きますので思いっきりネタバレします。見てない方は視聴されてから読まれることをおすすめします。

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 物語のベースはTVシリーズを踏襲しつつも大胆に再構築を施したものである。まず見た目がそこそこ変わっている。ウテナの髪が短くなった。アンシーの髪型はストレートになり眼鏡をかけていない。ウテナはより女らしく、アンシーは性格がとても普通になった(極端な主従関係にこだわらなくなった)。ウテナを呼び捨てにするなど、その関係性がストレートに表現されている。やはり眼鏡を取ると人は明るくなるのだろうか。代償として大幅に個性が失われたのは悔やまれる。

 劇場版ではキャラ設定にも手を入れられている。まずウテナの王子様が暁生から冬芽に変わり、二人とも殺してしまうという大胆な構成。これはウテナ側のドラマをカットし、アンシーに特化させるための処置です。おかげで非常に分かり易く、進行もより明快になっています。
 サブキャラで最も優遇されたのが樹璃の想い人だった高槻枝織。七実や梢の代わりを務め、樹璃をそそのかしたりと悪役ぶりを発揮する。最後のカーチェイスでもアンシーの邪魔をしてくるなど、その存在感は準ライバルの佇まい。ただ、アンシーとの因縁が無いため、あくまでストーリーの潤滑油的存在にすぎない。
 今回最も被害を被った七実は牛の姿でのみ登場する。チュチュもそこだけの出演で、TVシリーズの香りを残した数少ないシーンのひとつとなった。

 全般的に特徴として機械的な演出が印象に残る。これは学園が本当の世界ではないと黙示したものであり、革命(=学園からの脱出)する意義をより鮮明にしている。抽象的なものではなく、直接的に作り物であるとした表現は独特であると同時に秀逸。この思い切りがウテナらしさかもしれない。
 主人公がアンシーになっている点も見逃せない。オチ自体はTVシリーズと同じだが、そこに至る過程が大きく異なる。TVシリーズはあくまでウテナの行動が最後にアンシーを動かした。今回はウテナに王子様を見るや自ら革命の意思を固めて行動に移す。たしかにミッチーの声では頼りないかもしれない。というよりTVシリーズが男前過ぎた。

 映画なので落ち着いたものになるだろうという予測は見事に外れた。もちろん良い意味で。誰が主役であるウテナを車にするという演出を考え付くだろうか。そしてそれを実際にやってのけるのだから素晴らしい。スタッフの心意気に胸が打たれました。
 この先『少女革命ウテナ』を超える作品が出るとしたら、それはウテナに感銘し、リスペクトする方達かもしれませんね。

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2010/01/11 22:51 | Comments(0) | TrackBack(0) | アニメ

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