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『ゾイドジェネシス』感想
 ゾイドジェネシスは2005年に放送された全50話のTVアニメ。ゾイドシリーズの4作目にあたるが、他のシリーズとの繋がりはほとんどない。その分、物語としてはまとまっており、明快な内容となっている。
 戦記ものはどうしても設定やら登場人物などの情報量が多くなる。しかし、ゾイドの燃料であるレッゲルやそれを生み出すジェネレータを物語の重要な位置づけにしたことで、世界観の把握は易しかった。ただ、リーオやエヴォルトなど作中で深く語られなかったものもあり、消化不良の面もみられる。
 ゾイドの操縦者の条件が実際に乗って反応するかどうか、という曖昧なものだが、ゾイドが生命体である以上、むしろその方がリアリティがあった。名前が頭に浮かぶ演出も神秘的で申し分ない。
 本作の設定で最も興味深かったのがソラシティの存在。過去の大変動より文明が失われてから数千年後の世界。天変地異を免れ、過去の文明を受け継いできたソラシティは並行したもうひとつの世界。このおかげで、ほとんどの疑問は解決できてしまう、まさに神のごとき存在。

 登場人物を深く掘り下げる話ではないので、役割に則したキャラが揃っている。
 主人公のルージは最初こそただの純朴な少年だったが、いつしか正義感が強く、行動力もあり、異性にモテ、カリスマ性を発揮する完全無欠の存在に。みんなが異口同音に褒め称える様は少し気持ちが悪い。
 ミィは正当ツンデレヒロイン。口は悪いが要所要所で見せ場を作る縁の下の力持ち的ポジション。やはり高貴な身分なので、ポイントを弁えていらっしゃる。
 コトナは少し変わった立ち位置のキャラ。出会ってすぐにルージを意識するが、本当に心を寄せていたかどうかは疑問符がつく。なによりもルージ君が坊やすぎた、ということに尽きる。
 セイジュウロウは劣化五右衛門。以上。

 お気に入りのシーンは最終話のルージの回想からムラサメライガー復活の件。ムラサメライガーがルージの前に現れた理由、ミィを助けられない自身への悔し涙とエヴォルトの力により復活するゾイドコア。信頼する仲間、ガラガと宿敵ザイリンによる援護を受けての一撃。燃えるラストシーンだった。
 そしてこれは実にサプライズだったルドルフの復活を忘れてはならない。ロボット化した姿はインパクト大で、その活躍を期待せずにはいられなかった。ただ、登場が遅すぎたため、短い復活劇となった。本当に惜しい。

 気になった部分もいくつかあり、その最たるものが主人公ルージの変遷。上記でも触れたが、討伐軍のリーダーとなるまでの経緯がどうにも違和感を覚える。年齢的な部分もあるが、その容姿があまりにも幼すぎる。たしかにムラサメライガーが討伐軍の快進撃の立役者になっているのは事実だが、他にリーダーをやれる人間もいる以上、あの流れはいささか強引すぎる。
 ラ・カンとリーダーを交代するタイミングも遅すぎる。もう少し前倒しにしていれば、ルージのリーダーとしての葛藤や成長を描けたのではないか。
 これは少し酷だが、やはりセイジュウロウは殺すべきだったと思う。ルージの師匠であるセイジュウロウの死を乗り越えることで、人間的な成長も描いて欲しかった。なによりセイジュウロウを最後まで生かすメリットが見当たらない。戦争を題材とした作品なのに仲間の死があまりに少なすぎた。
 そして物語のラストについて。使えずに残っていた設定をふんだんに盛り込んで実に濃厚な話だった。しかし、これも小出しにすればもう一つか二つ盛り上がりが作れただろう。ゾイドコアのことも、仲間の死がほぼなかったために最後まで語られなかったのだろう。

 全体を通してみれば実に惜しい作品という評価。やはりラストに色々と集中させすぎたのはもったいなかった。エンディングも2クールまでは普通だったのに、3クールからの変貌ぶりには疑問を抱く。ただ、レイズナーのように本編までもが激変するより大分ましだけど。 
 
*後半の作画崩壊についてはあまり気にならない性質なので割愛させていただきました。

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2012/01/22 22:14 | Comments(0) | TrackBack(0) | アニメ

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