2年経った今、あらためてヱヴァ破を観直してみよう。そう思ったのはTV放送の30分くらい前のことだった。
以前、劇場版を観た時に書いた感想ブログも消えたらしいので、この機会にもう一度感想を書いてみることにする。おそらく前と同じようなことを書くかもしれないが、どうせ誰も知らないだろうし、仮に読んでいたとしてもさすがに覚えていないはず。覚えてたらごめんなさい。
(*感想はネタバレを含みますのでご了承下さい)
私の中でエヴァという作品の印象は"とても雰囲気の良いアニメ"である。世界観やキャラクターなどすべてが統一された色や臭いを感じさせてくれる。鬱に入る展開ではあるが、それ以上に観ていて心地良い。
本作において気になったのは、あれだけの激しい戦闘があったのに結局誰も死ななかったことである。アスカに至っては途中でマリにその座を奪われたのにも関わらず、次回予告では完全復活をアピールしている。簡単にキャラを殺すことをよしとは思わないが、あれだけ絶望的なシーンが続いても死なないのはご都合主義と言われても仕方がない。
TV版には時間の都合上多くのカットされたシーンがある。
最も影響を受けたのはアスカだろう。劇場版では孤独を好むようなシーンがあった。TV版ではそういった描写がカットされたため、原作の時とあまり変わらない印象になっている。
個人的にショックだったのはトウジのシーンがカットされたこと。「なんや、ハズレかいな」は本作における屈指の名台詞と言えよう。
本作を通して印象に残るのは挿入歌ではないだろうか。昭和の歌謡曲を使用したことで、エヴァのイメージを一変させたのは間違いない。
しかし、作品とマッチしているかといえばそうは思えなかった。むしろ盛り上がるシーンでの歌がノイズとなり、内容に集中できなくしてしまっている。正直意図が分からない。それは劇場で観た時の気持ちと何ら変わることはなかった。
上記でも触れたが、キャラの性格が大きく変化しているのも特徴のひとつ。一般向けといえばそれまでだが、この改変も気にいらない。内向的で逃げてばかりだったシンジはモテモテになり、男らしく行動的に。行動することで弱さを克服しようとしていたアスカは人との接触を嫌う地味な性格に。創られし存在のレイは人としての心を手に入れてただの人間に。
原作では絶妙な内面描写を行うことで個々のエゴをのぞかせている。その演出が暗たんとした世界観とマッチして非常にクオリティーの高い作品に仕上がっていた。暗たんたる世界観は変えずに新たな性格を植えつけられたキャラクター達は表層の描写が多かったように思う。熱血漢のシンジや心を開くレイに共感しろと言われても、抵抗感は否めない。新キャラのマリに至っては己の弱さをまったく見せない非人間タイプ。感情移入などできるはずもない。
新劇場版はあくまで新しいエヴァでなければならない。序はほとんど使いまわしだったが、破で半分以上のオリジナリティーが発揮された。これで半分が消化されたと思ったのだが、何やら雲行きが怪しい。どうも残るQと?がひとつになり、次回のQがラストになるという話が飛び込んできた。真実は定かではないが、もしそれが本当なら上映時間は3時間を超える可能性が高い。どれだけ時間が長くなっても構わないし、公開が延期しても構わない。新劇場版を観終えて"おもしろかった"と思えるのであれば。
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